言葉と沈黙と 第10号

2015年12月

山形 よっちゃん農場 編とうがらし

読者の皆様

イルミネーションの輝く、師走は真っ只中のこの頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
今年もさまざまな思い出を重ねて来られたことでしょう。皆様にとって、ことが起きたのでとても良かったこと、起こったので少しは良かったかなと思えること、起こって当たり前に近かったこと、起こって当たり前だったこと、起きたがどちらかと言えば起きてほしくなかったこと、断じて起こってほしくなかったことなど、思い起こせば単純なようで、複雑だった一年だったに違いありません。さまざまなことを皆様と共有できましたことを感謝しております。

研究所の今年度の行事は、12月26日の「内向きセミナー」をもってすべて無事に終了することになりますので、このことを報告できることもわたくしの喜びです。
皆様との交わりを通して皆様の生き方や考え方、探求の一端を知ることができましたし、世相の迅速な変化も感ずることができました。どのように世相に対応するかということはわたくしたちすべての者の問題であることも明らかになりました。それぞれがどのように自分の人生を意味深いものとするか、これは時々刻々と人生そのものから問われています。各人は否応なしにその問いに答えを見つけなければならない。わたくしはこのことこそが世相に答えることになると考えております。間もなく来る年越しの時にはこのような決意をしながら新年を迎えたいと思っております。

先だって妻から堀文子(97歳)の一枚の絵に注意を促されました。12月2日に堀女史の個展が終わったとのことですが、個展の間中、彼女は毎日、「まもなく戦争になる」という意味のことを繰り返し語っておられたそうです。戦争がどう近づいてくるか誰も知らない。そのシナリオを誰もかけない。気がついて見たら、それが起こっていたという仕方で戦争は始まると彼女は考えていたのかもしれないと思いました。下の絵のなかには人々が方向を失って右往左往するありさま、転びかけている人、倒れている人の姿もあります。この絵の下部中央に一人の女性が立ってこの風景を眺めております。それは堀女史自身かもしれないと思いました。(下、ご参照下さい。)
皆様方に良い年の暮れと平和な新年を念じ挙げます。

2015・12・15 記 弊研究所所長 安井猛

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わたしの今

ロゴセラピスト研修生
会社員
千葉 幸恵

わたしは 山の中腹に立ち 霞のかかる いただきを見上げる
辺りには いろんな形や色の山並みが続き
山裾をつなぐように 道がある

それぞれの山を きょうも 誰かが登っている
時には軽やかに 時には急なこう配をゆっくりと
時には荷物を下ろして一息いれ
時には雨に降られて動けない
みんな それぞれの今を 味わいながら 登っている

遠くの湿原に 歩く人を見かければ 手を振って挨拶
遥か彼方の人に 「ヤッホー」と声を掛ける
いいものだなあ、 響き合う声って

わたしも いま登っている これまで来た道をゆっくり振り返る
蝶々が舞い 蜂が飛び 鳥たちが歌う 一面の花畑 みどりの森
山道をつつむ 色 音 風 香り おひさまのあたたかさ
足元だけ見て登っていたから な〜んにも 気が付かなかったんだなあ・・・

わたしだけの道があったのに
ずいぶんらんぼうに 歩いてきたことが わかる
道は 上り 下り 小川を越えて ところどころで いくつも 交わっていた
ただ 歩くだけでは ケガもする
ああ そうか
わたしはいま 山道の 歩き方を 学んでいるのだなあと ふと 気がついた

わたしは 来た道の 本当の色が見てみたくなって サングラスを外し
着込んでいた防寒服を脱ぎ 軽くなって 大きく 息を 吐いた
山の頂を見上げ
あたりの山々を眺める

勇気を出して 大きな声で「ヤッホー」と言ってみる
あれ、声が裏返ってしまったけれど
でもいいんだ これがわたしの今の声
しばらく経って  あ!「ヤッホー」がかえってきた!!
今度は誰かの「ヤッホー」も 聞こえてくる

わたしは大きく息を吸い 腹の底からもう一度 「ヤッホー」と声にしてみる
すると その声は
どこかの山道をいく 誰かの声と重なり 広がって
山のいただきにこだましているように 聴こえてくる
その こだまのなかを きょうも私は 歩いている

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私の今

会社勤務
佐藤 順子

数週間前、主人と北海道の道東を旅してきました。
実は今回の旅に至るまでにはちょっとした出来ごとがありました。

以前、ニュースレターにも掲載されていたのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、主人と私の楽しい夢の語らいとして「キャンピングカーで全国を旅して回りたい」という話がありました。
それが今年に入っていよいよ具体的に動き出したのです。
同乗者も私たちだけではなく、義母や母達も今なら一緒に旅することができるかもしれないと・・・。
今までキャンピングカーのレンタルはあまりなかったのですが、近くでレンタルしているお店を見つけたので早速借りてみることにしました。
しばらくして購入検討も始めました。
だんだん乗り気になってきた二人。
今やらないで何時やるの!今でしょう!といった具合です。

そこで先ずは二人で北海道に行ってみようという話になりました。
それにしてもやはり初めてのキャンピングカー、すぐにぶっつけ本番でいざ北海道へ!とはいかないだろうと、お試し一泊旅行をしてみることになりました。
選んだ日は結婚記念日。
目的地は、さほど遠くはないみちのく湖畔公園オートキャンプ場。

久しぶりの自然の中での宿泊。それもキャンピングカーで快適に過ごせるはず。の予定でした。が、しかし、主人とわたし、二人の脳裏には数個の「?」が飛び交いはじめていたのです。
体の均衡バランスは?キャンピングカーの揺れは?ゆったり?気分転換?快適さは?リフレッシュ?他の同乗者達が載ったら?などなど・・・。
要するに一言でいえば夢と現実のギャップということです。
ここまで盛り上がった二人、このギャップをお互いどう処理するか、困りました。
当初は二人とも無言でいましたが私が妹に電話をかけたのをきっかけにお互いが感じた「?」について話しあいました。
無論私が妹に電話をしたのは楽しいキャンピングカー体験を報告しようと思ったからです。
ところが、思わず正直な現状を話してしまったのです。
すると妹もそれを察して、きちんと考えたほうがよいと忠告してくれました。
結局、私達二人はいろいろ考え、話をしてキャンピングカーの夢のお話を終了することにしました。

二人で話したこの会話はとても深い意味のあるものでした。しかし、二人で行こうとした北海道の旅だけは実現したかったので普段乗り慣れた自家用車で仙台港からフェリーを利用して出かけました。道中のプランは総て主人が立ててくれました。
運転は毎日交替。道を迷ったり、ちょっとしたトラブルはありましたが、小さな口論も大きな喧嘩にまではならず、とても楽しく有意義な旅行になりました。

今回の旅にしても、普段の家庭生活においても、さらに職場においても私の中に湧き上がってくる感情が数年前と全く違うといっていいほど変わっていることには我ながら驚きます。とても穏やかです。このことはいつも感謝しています。

一週間の旅行から帰って来た私は職場の同僚にも快く迎えられ、いつもの仕事にいつものように戻りました。主人は働く私をこころよく支えてくれて家事を頑張っています。
これからも今の私を精一杯生きていこうと思っています。

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私の今

SI

つかのま

人間とはわからないものですね。私はいままで全く興味のなかった掃除に入れ込んでいます。週末になると少々気合いを入れて我が家を見渡し、掃除ポイントを見定めて着手します。その日の気分次第の気ままなものですが、ところどころピカピカな場所が現れてくるとくすんでいる場所が目について次のターゲットが見つかることもあり、そんな時は週末が楽しみになります。

大汗をかいて家具の裏やカーペットの下などの汚れと格闘した日はしっかりお腹が空き良く眠れますので、運動不足解消にはうってつけだと思います。最近は掃除に留まらず古いものを処分したり買い替えることにも手を伸ばすようになり、家を整える方向に関心が移ってきました。正直なところ、生まれてこの方家というものに愛着を抱いたことがなく、今の住まいにも同様だったのですが、愛おしく思えるように住まう私の努力が足りなかったのかなと思うに至っています。家に対する姿勢は私の場合、私の生活、ひいては私自身に対する姿勢ともリンクしていそうです。こうして文字にしながら振り返ってみると、掃除に入れ込んでいるのはおおいに意味のある出来事かもしれないと思います。

とはいっても、私はさしてきれい好きでもなく、インテリアのセンスもありませんので、もし我が家を実際見る方は、仕上がり具合については目をつぶってください。

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ほめてあげよう

総合事務職員
柴田 三智子

努力って なんだ !?

一生懸命って なんだ !?

頑張るって なんだ !? 

誰かに認められようとしていると つらくなる
自分でいられなくなる

まずは 自分が自分を認めてあげる
努力して一生懸命頑張っている自分を認めよう

自分を褒めてあげよう !

しかし、思い上がらないように・・・・・。

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今のわたしを支えている

柴田 三智子

いつのころからだろうか
いつの間にか
世の中から
常に 完璧に 完全に と
失敗しないことを 求められてきた

結婚してからは もっと プレッシャーだった
良い嫁 良い妻 良い母 ・・・

何が「良い」のか 理解できぬままに 求められていた。
そして がんばっていた。

「それ」になるよう 努力してきた
「それ」という得体のしれない「良い物」への プレッシャーを背負って・・・

その反動が 今の私

ロゴセラピーに出合って8年になります
「自尊感情」という言葉が 私をロゴセラピーに導いてくれました。

そうして やっとこの頃
自分の価値を感じ 味わうことが出来るようになってきました。

これまでは
右往左往し、四苦八苦しながら生きることが苦痛でした

右往左往する自分も
四苦八苦する自分も 
受け入れ チャンスにする知恵を学びました。
これからも 学びは続きます。

10年後の自分に出合えるのが とても楽しみなこの頃です。

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今の私

薬局勤務
松田 史子

朝、目を覚ますとはっきりしない頭で「さあ、起きよう」といつも思う。3階のマンションのベランダから晴れた日にはまぶしい朝日を眺め新鮮な空気を思いっきり吸って、ゆっくりゆっくり私の体のエンジンがかかり、また新たな1日がはじまる。毎日の生活の中には様々な個性の人達とのかかわりがある。私は20年近く勤務している今の仕事の環境は忙しい中にも寛容で個性あふれる人達に助けられながら働きやすく明るい職場に恵まれている。職場には年配の方が多く来訪される.その中には80歳代で一人住まいの方々とお話をする機会がある。戦前から今日までたくさんの経験をされ、どのように生きてこられたのか想像してしまう。機会があれば時間を取っていただき様々なことをお聞きしたいものだと思い、タイミングをみて何かしら尋ねてみると答えて下さるのでそれも一つの楽しみである。柔和で微笑みながらはっきりご自分の意志を伝え、お話の中から自己肯定感や揺るがない強さみたいなものを感じることもある。生まれた時から一人一人に与えられた環境はそれぞれ違っても自尊感情は大きな影響を与えているのだろう。

例えば生きる上で個々の努力また能力により職業の選択も大きく左右される。また健康面、経済面、人間関係等においてもそれぞれの環境によりみなそれぞれ大きく異なるだろう。運命なのか選択した生き方のせいなのかわからないが、生活環境に恵まれている人また恵まれていない人の差により物事に対する受け止め方、考え方も大きな影響があるのではないだろうか。

確かに今の世の中は恵まれた環境にあっても心を病んでいる人が多いのはなぜだろう。私は今までの様々な経験を通し、時には解決方法も見当たらず、どうしたら良いのだろうと思ったこともあったが、やはり常に望む人生をイメージすることはとても大切なことだと実感している。最近では大分こだわりが減り、より反応しないことができるようになったように感じている。まだまだ成長段階で気付かないことは星の数ほどあるのだろうが、人とのかかわりを愉しみに小さいことでも一つ一つ大切に関わっていきたいと思う。日常の生活では特別なことがなければ、それでいいと考えている。しかし時間をつくり、もう少し新聞やネットに目を通したいものだ。また何か問題がおきた時にはよく考え 行動に移し自分で自分を苦しめない。もし不愉快な思いをさせる人がいたら 言い返さず距離 を置く。またどのような出来事も良いほうに解釈する。ほとんどの問題は自分にあることを認める。ただし自分のことはすべて許し受け入れる。試練のような出来事があっても最後まであきらめず前向きになることを忘れず解決していきたいと考えている。わかることとできることの距離を縮め有意義な時間を持ちたいものだ。またうれしい時には大いに喜び、悲しい時には我慢せず思いのままに受け止めたい。そしてかかわる人達には見かけとは違う心の状態を少しでも推測できる力をもてるように心を配り、仕事の上でもプライベートの面でも何かの力になりたいと考えている。またいろいろな体験を通して感動する心を積み重ね、今の未完成の自分を磨けるように時には厳しく時には限りなく自由で解放された時間を持ち、社会のお役に立てればと考えています。

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「船」

ロゴセラピスト研修受講生
JA職員 千葉 史也

船は帆に風を受けつつ 水夫が握るオールから生み出される推進力により
大海原を目的地に向かって進む。
天候により状況は変化する。
空は荒れ、水面は揺らぐ。

航海士は コンパスを注視しながら 風の動きと水夫の疲労に配慮する。

人は 知恵という名の船に乗り
歴史という名の海を航海する。

航海士は 愛と寛容、意味の充足に配慮しながら 固有の未来へと舵を切る。

いかなる時も決して忘れてはならないことがある。
航海士は誰か ということ。

航海士は、ただ一人船と運命を共にする責任存在であるということを。

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私の今

ロゴセラピスト・インターン
盛一 美那子

今年、今月、今週、今日、そして今。
今という一瞬の連なりがあり、それが一つの節目となり毎日の生活にメリハリをもたらしてくれている気がする。
何の区切りもない、ただ連続するだけの日々ならばどうであろう〜。

さて、今年の私。
昨年から引き続いていたものを含め、二つの仕事に従事した。
そのどちらも肉体的にハードで捉え方の差異からぎくしゃくが起こり、慣れないうちは戸惑いも多く、一日の大半は仕事で占められ、ゆとりを無くしていた。
特に二つ目の職場でのこと。小さな組織ではあったがその中の一員として責任を果たす役割の大変さを実感した時、仕事一途に長年努めてきた夫の立場がふとクローズアップされ、改めて、その苦労の一端を垣間見、感謝の思いが湧いて、そのことを素直に夫に伝えた。
コミュニケーションの大切さを実感させられる年となった。

今月。
二つ目の仕事の離職を余儀なくされるにあたり、相談機関を訪ねた。
そこでの様々な経緯を踏まえた上での助言は・・・、
「自分に降りかかった火の粉は自分で振り払うしかない。
その上で必要な情報を順序立てて提示してくれ、」
「最終的に、自分はどうしたいか。」それのみである。

「一つの決定がなされた後、次の段階での選択肢は様々ある。」
実に明瞭で、それまですっきりしなかった気持ちが一気に晴れ渡るような助言を頂戴し、即座に前進する為の決定をした。
自分で物事を複雑にしがちであったことを反省。

そして今週。
多忙ながらもハリのあった生活スタイルから離れてみて、改めて働くことの意義、それによって派生する手応えについて思いを巡らす。
働くことは悦び。
動ける限りは働いていたいと思った。

今日。
就活する中で、新たに見えてきたものがある。
これまでは与えられた境遇はそう容易く変えられるものではないと思い込みがちであったが、別の視点で捉えさえすれば全く違う展開になるということを。
当たり前のことだが、どこか不安な思いが気持ちにブレーキをかけ躊躇してきたのだ。

今の今。
後に引けない状況に背中を押され、改めて自分に言い聞かせる。
難しいと思い込んでいた分野にも勇気を出して臨んでみようと。

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コラージュ作品展示

ドイツロゴセラピー&実存分析協会LogotherapeutDGLE®認定ロゴセラピスト安井猛PhDの指導の下、日本ロゴセラピー&実存分析研究所・仙台主催による、ロゴセラピスト教育研修、基礎理論および方法実践論演習受講生による作品(実物 約53x40p)

「今日と明日と」 創作 F.C

「薫風に乗って」 創作 Y.C

「ガウディの平和の白鳩たちとイグアナ」 創作 やすいうゐこ

「スニーカー」 創作 やすいうゐこ

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お便り2通 拝受

暑中お見舞い申し挙げます。
厳しい暑さですがご機嫌如何でしょうか
先日は、すっきりする様な本、読ませてもらいました。
私はまだまだそこまではいかないのが現実です。残念ですが・・・。
夏、本番、我が家の冷房もフル回転です。
暑さはまだまだ続きそうです。健康に気をつけてくださいね。

(NT様より)

猛暑が続いておりますがお元気ですか
先日は、むのたけじさんの本を送って頂き有難うございました。
早速読んでみました。
お名前だけは聞いたことがあったのですが、何をされている人か、全然知りませんでした。
日本のジャーナリストとして沢山の本を出版されていることを知りました。
読んで行く内に言葉がどんどん響いてきて引き込まれてゆきました。
言葉に色んな意味あいがあるということ、解釈の仕方があるということを、本当にやさしく教えて戴いた事に感謝です。
身近な所に置いて、時々本を開いてみないといけないと思いました。
私も未だ・・・・・未熟者、色んな事をこれからも学んで行きながら、人にやさしさと思いやりを持って話ができたり、接する事が出来るように、少しずつでも前に進んで行きたいと思っております。
まだまだ暑い日が続くと思われますのでお身体大切にしてください。

(TT様より)

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ひとりぶつくさ -10- 個性的な価値

やすい うゐこ

日ごとの食事を欠かさず戴くように、人は常に何かを考えている生きものですよね。必要に迫られて、あるいは時間を持て余して、或るときは忙しすぎて、またある時には愉しい毎日の中で誰かのために何が出来るだろうかと愉しい計画を考えたりしたこともあると思います・・・。その、何かを考えている時の貴方って、とても意味の在ることをしているのだと感じたことはありませんか・・・? 自分の個性をいま発揮できたんだ と思ったこともあるはずです。私って出来るんだ!と気づいて小躍りし、一瞬の内に逞しくなった自分に嬉しくなったこともあるでしょう。

そのような自覚や確信は、あなたの人生の意味や価値の栄養源になってあなたを育てるのです。自覚が増えていけば益々謙虚にもなり、人の話をじっと聴けるようにもなるものです。わき目もふらず懸命に生き抜くなかにも 気持ちにはゆとりが生まれていることに気付かされることもあるでしょう・・・。

歴史の古くから、人はパンだけで生きるのではない、という言葉があります。緻密に考える自分の時間を増やし、家族や友人知人達と愉しく、軽やかな話し合いや意見の交換も出来るようになり、自分の生きている意味や価値に気付き、気持ちをそこに留めて考え続けることが出来たら、その価値はそのまま貴方の希望になるはずです・・・。

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女性のための生涯塾

「女性のための生涯塾」を仙台市内で手掛けるようになって6年経ちました。毎回テキストを作成しています。その中から今回、2015年09月12日のテキストを紹介いたします。弊研究所主催の塾ではどのようなことが話題になっているかを想像していただければ幸いです。今回テーマにしてきた、私の個性的な価値はV.E.フランクルの愛弟子W.クルツ教授のテキストを基に、やすいうゐこが訳しながら、家庭を持ち子供を育て社会で活躍している生涯塾参加者と共に2014年10月から学習をはじめていたものです。2015年9月で最終回を学びましたが、参加者各個々人の人生観や価値の変化を促すための学びは新しいテキストによって進められ、続いています。

私の個性的な価値を発見する

*ステップ3 で5つの価値をえらびましたね。きようは
*ステップ4 に入ります。
先回選んだ5つの価値が、なぜ私の本当の価値に成るほど重要なのか、下に5つの価値を書き、それぞれに3つの特別な理由も書き留めて下さい。

私の個性的な価値について

*自分で意識して、読み、考え、自分を振り返ると同時に、
*自分の今と未来を価値ある存在にさせる言葉かどうかを、変遷する毎日の生活の中で、折に触れて考え続ける
*選択し、意識していた言葉より、もっと自分にふさわしい言葉に出合った時は、その言葉が、なぜ自分の価値ある個性にふさわしいのかをメモしておく。
*人は変化します。変化するその人に伴い、その人にとっての価値も変化することを、自分にも他人にも認めることが出来るようになりましょう。変わるということはその人が生きていることの証しなのですから…。

私の個性的な価値はことばを選んだことで終りではない。

*時の流れや、時代の環境に左右されない強固さも養いながら、自分の選んだ言葉と共に生きる。

自分を磨く支えになる言葉かどうかを常に吟味し続けることが大切であることにも気付かれるでしょう。

価値を自分の中に見つけ、その価値を表す言葉と生涯付き合い続けられるか、その言葉が自分を磨く道具に成り得るか・・・あらゆる角度から自分を見つめ、見つけた価値に恥ずかしくない生き方は何か、・・・価値を活かす生き方はどうあるべきなのか・・・等々
自分自身を鍛え続けるための思慮や探求は精神の深淵で続けられます。

私の選んだ5つの価値の言葉と、それぞれに属する3つの理由

註、別表に出ている言葉のほかにも辞典などから選ぶこともできます・・。

1.

2.

3.

4.

5.

*いつでも読むことが出来るように手帳にメモしておくのも一案です…。

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アイルランドの祝福の祈り

Desilerata = 切なる願い

アイルランドの祝福の祈り「切なる願い 1692」から
和訳 日本ロゴセラピー&実存分析研究所長 安井猛

「アイルランドの祝福の祈り」には同じ1692と書かれていても内容は少しずつ異なるものが沢山ありますのでご留意ください。これは1995年にドイツの友人がハンブルクのST.PAULS教会を訪ねた際のお土産に戴いたものです。

喧噪と慌しさの中にあっても静かであり、そして、静けさの中にどのような祝福があるかを考えてごらんなさい。
自分自身に暴力を振るわないで、すべての人々とよい関係を保ちなさい。
あなたの真理を、静かに、そして明らかに、言葉にしなさい。
あなたの交わる人々に、耳を傾けなさい。彼らも、彼らの物語を語っています。
騒々しく、そして、攻撃的な人々を避けなさい。彼らは精神に重荷を加えるだけです。

あなたが自分を他人と比べるなら、あなたは虚栄的になり、辛辣になり得ます。
なぜなら、あなたたちよりももっと小さな人間、あなたたちよりももっと大きな人間が存在するだろうからです。
あなたの業績とあなたの計画を喜びなさい。
あなたが自分を正しいと主張する自分に警戒しなさい。
あなたの仕事、それがどんなに小さなものであっても、それに興味を持ちなさい。
それは時代の変わりやすい幸福の中にあっては本当の所有だからです。
商売において注意深く行動しなさい。なぜなら世界は欺きに満ちているからです。しかしこのことは存在している正しさにたいしてあなたを盲目にさせてはなりません。多くの人々はいっそう高い理想に向かい努力し、世の中は努力家たちで一杯です。あなた自身もそうなりなさい。
とりわけ、良くしてもらうためにへつらってはいけない。
愛することに関しては、冷笑的になってはいけない。なぜならすべての不満と虚しさにもかかわらず愛は草のように新鮮だからです。

勇気を持って歳月の経過に従いなさい。
あなたが背後に残す時すなわち過去を惜しんではならない。
精神の力を強めなさい。不幸が突然入り込むとき、それがあなたを守るためです。
しかし、幽霊の像で自分を不愉快にさせてはならない。多くの不安は疲労と孤独から生まれます。

健康な訓練を怠らないようにしなさい。しかし、そのさい、自分自身に優しくしなさい。 あなたは宇宙の子供です。木々や星々よりもいっそう小さいわけではない。
あなたにはここに存在する権利があります。
宇宙はそれが発展するように発展します。それがあなたに明らかであるかどうかにはかかわわりなく、そうなのです。− そしてそれは良いことです。
だからあなたは、神様に彼がどうあってほしいと願うにせよ、神様と平和を保ちなさい、あなたの環境とあなたの仕事がどのようなものであるにせよ、人生の喧騒に満ちた混乱の中にあってあなたの魂との平和を保ちなさい。
すべてのその模造金箔、その闇とその冷めた夢にもかかわらず、この世界はしかし驚くほど美しい。こころして歩みなさい。

幸福であるよう努めなさい。

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編集後記

*2015年度も間もなく暮れようとしています。今年は殊に時の流れが速いように思えるのはわたしだけなのでしょうか。文集も7月に帰国後即編集に取り掛かる予定でしたが、気温の差が激しく異なる3都市を往来したのと少しずつ増えていた仕事の量に體の方が降参したのか、治ってみて気が付いたら3か月間咳と微熱が続いていたらしい。ということで発行までに半年を費やしてしまいました。ご寄稿戴いた皆様にお詫びと感謝を申し上げますと共に、なによりもこの冊子をお届けできるまでに辿りつけたことを心から嬉しく想います。 師走の慌ただしさが過ぎる頃にゆっくり読んで戴ければなによりです。ご感想も折に触れお聞かせくだされば幸甚に想います…。

*2015年度は国内に限らずこの地球上の政治状況が目まぐるしく変化をしました。ニュースでは報道されていない日本国民に深く関わる沖縄での出来事も沢山あります。不穏な空気は政府の隠蔽と嘘の報道に隠され流され続けているようです…。間もなく5年を迎える東日本大震災。人災による福島原発事故による放射能汚染は拡大の一途をたどっています。情報源カレイドスコープのアドレスhttp://kaleido11.blog.fe2.com/blog-entry-2659.htmlから詳細情報をご覧ください。

*放射能に汚染され続けている日本国内で生きなければならない私たちに、広島で被爆した医師肥田舜太郎先生が2013年に書いて下さった本があります。<「被爆と被曝」放射線に負けずに生きる> を是非お読みください。
幻冬舎ルネッサンス新書ISBN978−4−7790−6072−4 定価838+税

*初夏の頃、遠くにお住いの方に むのたけじ氏著「99歳1日1言」を贈りました。お二人からご丁寧な感想文が届きましたので掲載させていただきました。ありがとうございました。編集掛一同深くお礼申し上げます。

2016年度新講座・その他のお報せ

※ロゴセラピーと日本人のこころー般若心経 1月〜10月第3金曜日19:00〜21:00
受講料金 ¥120,000+消費税 振込手数料は各自ご負担下さい。
振込期日2016年1月08日17:00迄。七十七銀行 西多賀支店 普通 5510864

※内向型の人生戦略
1月〜10月 最終週土曜日19:00〜21:00
受講料金 ¥120,000+消費税 振込手数料は各自ご負担下さい。
振込期日2016年1月22日17:00迄 七十七銀行 西多賀支店 普通 5510864

※女性のための生涯塾 毎月第2土曜日 参加費 12か月分¥60000 振込先同上

※ロゴセラピー生涯随伴メンタリング 定期的に継続の方に限り¥9000+消費税
お申込みは日程の関係上直接uiko.y-ma@i.softbank.jp迄ご連絡ください。

今年も沢山お世話になりました。どうぞ佳いお年越しの時をお迎えくださいますように皆様とご家族の方々のご健勝を祈念申し挙げます。

2015.12.22 事務所及び編集掛一同

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言葉と沈黙と

【単価】
税込 ¥1080,−

【第10号発行】
2015年12月22日

【発行者】
安井 猛 (PhD)大学教授
日本ロゴセラピー&実存分析研究所・仙台 研究所所長
ドイツ国一般社団法人ドイツロゴセラピー&実存分析協会(DGLE)認定ロゴセラピスト
ドイツプロテスタント教会・ヘッセンナッサウ(EKHN)認定パストラルケアラー

【住所】
〒980-0014 宮城県仙台市青葉区本町1-13-32(株)オーロラビル605

【ファックスのみ受付】
022-707-4582

【お尋ねはこちらへ】
info@logotherapie-japan.net

【JILEXオフィス】
jilex-tws.okiu8@agate.plala.or.jp

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